私は今、刑事ではない。被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない仕事。だが、私だからこそしなければならない仕事――。月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っこんだ。死傷者多数、残された家族たち。犯人確保もつかのま、事件は思いもかけない様相を見せ始める。
以下、ネタバレ有りですのでご了承ください
犯罪にあった人とその家族をサポートする警察内の組織の話です。
シリーズは様々なタイプの事件を通して家族の姿を描くもの。
事件もいろいろなら家族の形や在り方も様々です。
主役は元捜査一課に居た刑事。
事故に遭い、自身も被害者。
自分も後遺症が残り、一課の仕事を辞めて被害者支援の仕事に就いた。
一緒に事故に巻き込まれた恋人は車椅子生活になり、結婚も考えていたのに別離。
しかし彼女もボランティア(のちに本業)で犯罪被害者支援の仕事をしているので今も交流がある。
作者の作品はすべてではないですけど、かなりの数を作家買いしています。
ミステリーの部分が面白くてどの作品も惹かれるのですが、かなりの確率で登場のキャラクターが好きになれません。
主人公の全てが嫌いではないのですが、こんな男嫌だなぁと思うことが度々。
要は作者が男で私が女だから?
私が変わり者の"女"だから?
ラストランの主人公もイマイチ腑に落ちないというか、何だかなぁと言う気持ちが強かったのですが、この村野という刑事もたまにイラッとさせられます。
そう思いながらたくさん読んできて、今になって突然思いあたった事があります。
描かれる刑事は"男"なんですけど、女にも男っぽい部分があるように男にも女っぽい部分がありますよね。
上手く言えないけど、弱さの中にだったり、気遣いの中にだったり、繊細さの中とか、世の中には女性よりもそれらが勝ってる男性もいるかもしれない。
トランスジェンダーとかの話ではなくて、性格とかの話です。
そういう見え隠れの部分が自分と合わずに苛立つのかも?と思いあたりました。
このシリーズで言うと、村野は仕事熱心です。
間違いなく一課の刑事だった頃の気質が残っていて支援課の枠を飛び越えてやり過ぎたりします。
物語だし、解決するのだからいいのですけど、
たまに周りから刑事に戻ったら?と言われるけれど彼は否定します。
私はそこでまたイラッとする。
だったら大人しくしてろと思ってしまうのです←大人しくしてたら話は進まないけど(笑)
なんだろう?戻りたいのは見え見えじゃない?と思ってしまうのですよね。
自分に支援課の仕事が向いてると嘘をついてる気がして仕方ない。
ラストラインの主人公にも似たような想いを感じてイラついてた。
要は自分を誤魔化してる感が拭えなくて、物語に没頭できない。
正義の人だとわかってるけど、そうまでして正義面しなくていいじゃないかと、意地悪く思ってしまう。
堂場瞬一のキャラクターにはかなりの確率で似たような想いを感じてしまう。
それでも好きなのはミステリーの部分がとても好きだから。
物語は好きだけれど主人公の性格がことごとくカンに障る。
そんなこんなで、文句を言ってる割にはこのシリーズも9冊?
事件はどこかでこんなことあったよな?と思わせるものが多いので尚更被害者、加害者の家族が気になります。
……とは言え、私はそれ以上に事件の行方の方が面白いと感じます。
やはりミステリー重視で読んでる気がする。
もう一つ彼の作品で私が思うこと。
登場キャラクターに恋愛は絡めないでほしい。
作者の描く男女の関係が苦手です。
同僚や友人はOKですが、たまに見かけるキャラクター同士の恋愛は、言葉は悪いですが私には気持ち悪い。
多分、考え方が違うからでしょう。
一言で言えば趣味が合わない。
キャラクターとしては好きだけど、オジさんたちの恋愛は賛同できない何かがある。
年齢じゃないですよ。
男女の違いなのか私の個人的な好みの問題なのか?
表現が合わないのか?
今回の主役村野と怪我をした元カノとの人間関係の絡みは要らないです。
私に言わせれば、好きなら結婚すれば良い。
そうでないなら距離をとれば良い。
潔くなくてその距離感が気持ち悪い。
なのに頻繁に事件を通してこの二人が絡む。
この二人の食事のシーンとかが頻繁に登場するんですけど、安い恋愛ドラマみたいで要らないと思う。
つまりはですね、しつこいですけど、
事件は面白いですけど、主人公の刑事たちの私生活はいらないですよ、と言うことです。
それによって面白くなる話もあるでしょうが、どうも作者さんとはその辺はあわない気がする。
話がループしてますよね。
申し訳ありません。
そしてこの件は私の全くの個人的な趣味の問題ですので、捨て置き下さい。
全くの個人的な感想で語りました。
全体的に面白いかという話は、こんなに文句言ってる私がずっと読んでると言うことで、お察しください。
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