ある理由から中学の終わりに不登校になってしまった小春は、京都の祇園にある祖母の和雑貨店を手伝うことに。和菓子職人の叔父・宗次朗や大学生のはとこ・澪人と過ごすうちに小春の心は少しずつ解けていくけれど…。
以下、ネタバレ有りですのでご了承ください
ある日いきなり周りの人の心の声が聞こえるようになってしまった女の子の話。
作者さんはシリーズ本をたくさん出しているようですが今回初めましてです。
Audibleで聴いていますが、とても面白い話で続きをずっと聞いています。
いきなりとんでもなことが起こってしまった普通の女の子は怖くて引きこもりになって高校進学も出来なくなってしまいました。
そりゃそうだ、そんなことになったら恐怖しかない。
空想好きなブログ主は子供の頃からよく、もし私の心が相手に読まれていたらどうしょう?なんて突然考える事がありました。
後ろめたく思うことが沢山有ったのでしょう(笑)
もし突然、家族や友人からそんなことをカミングアウトされても、えーーそうなんだ!と驚きながらもただそう言うと思います。
私は子供の時から不思議なことでも、
「ふーん、でもそんなことももしかしたらあるのかもよ」と言えてしまう子供でした。
今でもそうです。
文章綴る、頭の中で世界を創作して書き連ねることが私の趣味。
ブログやら、小説やら、とにかく文字を書くことが好き。
なので人には理解できないことはごまんとあるはずと思っているからです。
この少女の苦悩は『彼』のあれに似てます。
「准教授・高槻彰良の推察」に出てくる深町くんの耳です。
彼の耳はあることがきっかけで嘘を聞き分けるようになってしまった。
その時言われたことは
「今日からお前は孤独になる」という言葉です。
彼は、孤独になるという言葉の本当の意味が子供だったからわからなかったんだ……と後に語っています。
そうよね他人の嘘(本心)がわかってしまったら、孤独になるしかないよね。
家族も友人も去って、自分からも遠ざけて、一人過ごすのが一番楽だから。
でもどちらの二人にも理解者はいて、それによって救われていくのはどこか似ています。
それを読んでるこちらも救われます。
あちらの話もミステリーなのか、ホラーか、ファンタジーか迷うところなのですが、こちらも同じくです。
彼女の理解者は京都に住む祖母と叔父。
そして"はとこ"の関係に有る祖母の弟の孫姉弟。
そもそも祖母の家系は遡ると陰陽師の家系らしい。
今も祖母の実家はそんな家業をしています。
祖母も近所や友人の困りごとを解決しています。
そんな日常の出来事と、先祖の力が受け継がれてしまった女の子の成長物語かな。
東京から京都にやってきたので、日常が京都の風景です。
私も京都は数回しか行ったことがなく、詳しくないので名前だけは知ってる有名な場所や小物、食べるもの等々の固有名詞が過るだけです。
名前だけは知ってるものが多いです。
さすが京都。
シリーズが長いようですが、先を読みたくなる話です。
全巻読むまで頑張ります!
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