BOOK RECO

閑人の読書記録簿

准教授・高槻彰良の推察シリーズ 澤村御影

 

 

 

「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」

人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。
高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――?

ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが
民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ

 

 

 

1-8巻辺りまでのまとめ感想

 

 

シリーズ読了していますのでまとめて書きます

以下、ネタバレ有りですのでご了承ください

 

 

 

 

 

 

この話のジャンルは何だろう?とたまに思う。

タイトルに推察とあるのでミステリー、探偵ものとして最初は読んでいた。

 

しかし巻が進むにつれ、ホラーとなりファンタジーとなり今やSF?……多分全部なんだとは思う。

 

同じくタイトルに高槻彰良とあるのに、実は話の目線は教え子の深町尚哉だ。

 

 

 

二人ともワケありのキャラ。

高槻の方は子供の頃に誘拐され、戻ってきたら別の人間とは言わないが、彼の中には誰か居る状態。

瞳の色まで変わるのは二重人格とは全く違う異種な存在で有り、背中には翼をもぎ取ったような跡があった。

彼はその時の記憶を無くしておりその謎を捜している。

 

深町の方は子供の頃に異界の祭りに迷い込み、人の嘘を聞き分ける聴覚になってしまった。

 

 

短編連作のように細かな事件が連なる中、縦軸は二人の子供の時の不思議な体験の謎を追うと言う展開。

 

 

ドラマ化されており見たのですが、あまりにツッコミどころ満載で、期待もしてなかったのでがっかりもしなかったけど、どうでもいいドラマだった。

中身が違いすぎたし。

 

 

 

一回目を小説で読み、二巡目をAudibleで聴いてます。

 

 

5巻目くらいで、深町の子供の頃の祭りの謎に挑み、死者の祭りが本当にあったことにたどり着きます。

その件がきっかけで深町は高槻の中のもう一人と対峙するようになり、そのあとからはこの高槻の中にいるもう一人の謎を追い掛ける話が縦軸のメインになっていきます。

 

 

正直私は短編が好きでは無く、この話のメインを司っている数々の事件が鬱陶しいです。

しかしながら細かな事件を通して、高槻の過去や過去に関係する人物、新しい謎などが登場するわけで、これらを読まなければこの話は成立しない。

読み始めれば、つまらないかと言えばそうではなく事件そのものよりもやはり謎が解けて行くには全部を読まなければならないわけで……

私の中で葛藤が続きます(笑)

 

それほどまでに私も高槻の謎は知りたい。

 

当然ながらシリーズ序盤に私も仮説を色々立てました。

しかしここまで尽く予想を外されてます。

 

実はファンタジーやホラー部分は実際は違うだろう、トリックみたいなものと予想していたのですが、どうやらマジでSF仕様のファンタジーみたいに思える現在。

 

 

近刊ではなんとあの「異質捜査班」が登場してる。

「異捜」は作者の別作品「憧れの作家は人間じゃありませんでした」に登場する警察組織。

そこでは実際に人間社会に紛れて生活している"人外"の捜査をしているところ。

そこの担当刑事が顔を出し始めた。

つまりは高槻の件は人外が関与してる可能性が有るって言う……もう最初の頃の謎よりかなり話が大きくなってる……

 

不老不死とか人魚とか登場してきたときにマジかよ……とは思いましたけど、私の想像とは違う方へ行ってる。

 

ここまで来たら真相を知らずにはいられない……ということで絶対に最後まで読むつもりです。

 

 

私としてはキャラクターは高槻よりも深町に興味があって、この子の成長が楽しみです。