BOOK RECO

閑人の読書記録簿

割れた誇りラストライン2

 

 

 

 

堂場瞬一の警察小説「ラストライン」シリーズ第2弾。 女子大生殺人事件の容疑者として逮捕されていた田岡勇太が、地裁でまさかの無罪となり、自宅に戻った。近所は不穏な空気に包まれ、田岡への嫌がらせも発生。そんな中、女子大生の恋人だった男が殺される。判決後も田岡に執拗に迫っていたため、返り討ちも疑われたが、一方で今度は田岡が襲われた―。これは復讐の連鎖なのか。

 

 

 

 

以下、ネタバレ有りですのでご了承ください

 

 

 

 

テーマは冤罪かなぁ……

もしくは加害者の家族。

 

大変難しい、ある意味答えの出ない問題でもあるので考えさせられます。

 

 

いきなり殺人犯として捕まっていた男の無罪判決から始まる。

有罪率の高い日本の裁判で無罪ということは、最初からほぼ無罪だよねぇ。

この設定は冤罪くさいよ。

話の中でも当然冤罪ではないか、いいやそんなはずはないと警察が揺れる。

 

でも話が進むと雑なのよ、警察が……

ちゃんと調べてよと思うけど、人間のやることだしなぁと同情もする。

でも、疑惑を掛けられてやってないのに犯罪者扱いにされた方はとんでもないことになる。

本人の人生はめちゃくちゃ、家族も同じく。

これって誰が償ってくれるの?

 

そして冤罪=真犯人は誰だ?

警察の中には未だに本当は田岡が犯人じゃないのかと疑ってる人間もいる。

冤罪なら犯人を探さないと……と捜査に取りかかるものも居る。

今さら?今から?

初動で間違えるともう犯人にはほぼたどり着けなくなる。

 

 

そんな中、更に殺人。

殺された女子大生の彼氏。

連続殺人?

二つの殺人の関係は?とミステリーになっていく話。

 

 

最初に犯人を間違えなければ第二の殺人はなかったと言う冤罪が招く悲劇。

 

よく言われる、最初に警察がストーリーを描いてしまうとその脚本通りに犯人を作ってしまうと言う典型。

無罪なのに1年も犯罪者扱いで収監されて、家族は白い目に晒されて、無罪になっても周りからはまだ疑われ白い目で見られる。

 

結果的にこの田岡という人は本当に冤罪だった。

 

どうしてくれるの?この始末!

関係ない私でもそう思うわけ。

 

こんなことが意外にもかなりの数あるんじゃないかと思えるのがねぇ。

 

 

 

 

話は面白いのだけれど、オヤジの恋愛描写は要らない。

なんで延々と刑事の私生活描いてるのか意味不明。

離婚だって早くしろよ!と思うのよ。

警察官なのに不倫じゃないの。

実質離婚したも同然というなら恋愛は離婚してからにしろと思う。

同じ女として不愉快だ。

 

何もそんな設定要らないだろうと思ってしまう。

だから他のシリーズと違って主役の刑事に思い入れが出来ない。