ちょっとだけ不思議な力を持つ下流貴族の娘プリシア。王宮で働くことを選んだ彼女は、文官クリエットが疲れて眠っている場面に遭遇する。彼に癒しを与えたプリシアはクリエットに気に入られ、昼の短い時間だけ、彼と二人の時間を過ごすようになる。そのことを知り勘違いした王太子ヘンリーに「この機会に結婚したらどうだ」と言われたクリエットは、相手がプリシアなら悪くないと思いはじめ――
以下、ネタバレ有りですのでご了承ください
初めて読んだ作家さんですけど、もう今後作家買いすること決定です。
珍しい話を書く人が大好きだ。
今まで読んだ恋愛小説とは全く違うテイスト。
全然波瀾万丈じゃない(笑)
"恋愛"どこよー?と言いたくなるレベルの話し。
魔法と言うほどでも無いけど、癒しの手があるヒロイン。
彼女は自分が平凡だと思ってる。
大層な望みが有るわけでも無い。
でも心のどこかで、この特技が誰かの役に立てるなら嬉しいなと思ってはいた。
偶然出会った男はいつも疲れていて、癒やしてあげられるのが嬉しかった。
男は男で、女にも結婚にも興味は無かったけど、この癒しは欲しかった。
男はとても疲れていた。
腹黒い気持ちなど無く、この手が欲しいなーと思っただけ。
彼女もあっさりとお役に立てるならいいですよーと思っただけ。
そんな二人の物語。
男も悪びれず、女も気にしなくていいですよと思っている。
しかし周りの良識ある人たちは眉をひそめてる……みたいな話。
当人たちはただゆっくりと穏やかに日々を過ごしてるだけと言う珍しい話。
暖かく泣けるんですよ。
嫉妬とか、悲観とか、マイナス感情の恋愛小説に飽きてしまった人におすすめです。
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